香り。歴史の扉をたたく ~エジプト編①~
今まで「オイルについて エッシェンシャルオイル」でも軽く触れていきましたが、
世界史上で香りはどのように位置づけられていたのか掘り下げていきたいと思います。
昔から香りは神に関わる儀式や、死者への弔い、病人への薬、異性への媚薬と色々と使われてきています。
現在知られている中で「香りの歴史」として最も古いとされている古代文明発祥の地の1つエジプトからスタート!
~エジプト編①~
人類は火を手に入れることによって香りと出逢ったと考えられています。
香(香料、香水、芳香)を示す「Perfume(パフューム」は、
ラテン語の「Per(through)+fume(煙)」
すなわち
「煙を通して」「煙によって立ち昇る」
が語源だといわれています。
火によって生じる煙は香りとともに天に昇っていく。
それがどこか神と通じると思われていた様で、
香りは主に神への捧げものとして用いられ、
薫香は悪魔祓いに使われたり、
病気を治療したりと使われていました。
~神に薫香をささげることの大切さ~
エジプトの人々は太陽神ラーに対し、
香煙に乗って魂が天国に導かれるように祈りの儀式を捧げていました。
時刻によって焚かれるものは異なっていて、
1日3回、
朝は日の出とともにフランキンセンス、
正午にはミルラ、
日が沈む時にはキフィと呼ばれる香りをブレンドしたものを焚きました。
日の出に焚かれていたフランキンセンスは太陽神ラーの汗が固まったものと信じられ、
フランキンセンスを燃やして立ち昇る薫香は魂をラーのいる天へと連れて行ってくれる
そう信じられていたそうです。
正午に焚かれていたミルラは太陽神ラーの涙から生まれると信じられ、
エジプトの不死鳥「ベヌウ」は500年に1度生まれ変わる際にミルラで卵型の容器をつくりそこに死んだばかりの親鳥の亡骸を収めてヘリオポリスまで運びラーの神殿で火葬にしたと言われており、ミルラとラーは深く関わるものとして信じられていました。
日没に焚かれていたキフィとは「聖なる煙」という意味で
Ebers Papyrus(エーベルス・パピルス=最古の医学書)に約16種類の植物性香料からつくられた調合香料と記されています。
「聖なる煙」=悪魔が寝室に入らないようにという意味で付けられたそうです。
キフィには心を落ちつかせる働きがあると言われていて、
ファラオと呼ばれる王様や高僧が瞑想などの際に使用していたそうです。
また寝つきを良くするためと悪魔が寝室に入らないようにするため歴代のファラオ達は寝室でもキフィを芳香していたそうです。
人を寝付かせ、不安を鎮め、楽しい夢をみさせたという16種類の調合香料キフィ。
一体どのような香りなのか気になります!
続く。
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