~エジプト編②~
旧約聖書では
「バベルの塔では僧侶たちが香りの山から降りてくる」
という内容の記載があり、
香りはまず神に捧げられ、
次いで僧侶・支配者が使う事が許され、
続いて側近、
そして民衆へ
と「香り」は広がっていきました。
香油は硬質の物質で作った瓶や壺または木や象牙を刻んで作った箱に保存されていました。
エジプトの壁画で、紡錘形の帽子のようなもの乗せた女性、
あれは動物性油脂に植物香料をブレンドした「軟膏」入れです。
体温で少しずつ溶けた軟膏は、頭を伝い、体に染み込んで辺りに香りを漂わせました。
香料として使われたものは、
ミルラ・フランキンセンス・シダーウッド・オレガノ・ビターアーモンド・カンショウ・ヘンナ・ジェニパー・コリアンダー・ショウブ・ユリ・ハスその他エジプトの植物たちから抽出されたものです。
エジプト産のユリ油が入っている「サクディ」とよばれる香油は特に人気があったそうです。
また香りを楽しむだけではなく
照り付ける太陽による乾燥から皮膚を守る為にも、
香油は大量に使用されていました。
~ミイラ~
古代エジプトといえば、ミイラ。
ミイラは元々、死者の魂が蘇った時に戻ってくるために肉体を保存したものですが、
その語源は、アロマセラピーでも用いる「ミルラ」だと言われています。
ミイラという言葉は、
ミイラ作りの最初の手順として、
死体から臓物を取り除き酒で消毒した後、
腹部に「ミルラ」や肉桂などの香料を詰めたことに由来します。
古書に
「ラーの神の裁きの前に香料をもって薫浄された肉体をここに納め奉る」
とあることから、
香料は単に殺菌・防腐のためだけでなく、
神の前に出るために清らかな香りを施す意味を持っていたと考えられます。
1922年ツタンカーメン王(紀元前1344年頃)のミイラが発見された時、
王の石棺の葢を開けると中に香油壷がたくさんあったそうです。
それらを開けるとエニシダの花のような香りが3000年以上経っても香りを保っていたそうです。
~クレオパトラ~
ローマ帝国屈指の英雄を魅了したと言われている絶世の美女クレオパトラ。
知性や美声、動作の優雅さ、力強さなど彼女の魅力を表した点はいくつも残り、
バラやムスクなどの香りを愛したと言われています。
室内にバラの花びらをひざが埋まるほど敷き詰めていたという挿話もあり、
毎日バラの香油を入れたお風呂に入り、
湯上りには体に香油を塗り、
またその香りでシーザーやアントニウスを虜にしたといわれています。
香りの力、あなどれないです!!
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